オペラ白虎

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応援メッセージ

初演時のメッセージを再掲します

 来年7月の初演を目指す新作オペラ「Byacco(白虎)」の発端は2006年2月、「エンジン01文化戦略会議」会津大会です。私は会員の1人として生まれて初めて会津若松市を訪れ、街に、人々に、歴史に魅了され、何人かの友を得る幸運も授かりました。以前より音楽の仕事で御一緒してきた国際的オペラ指揮者・ピアニストの佐藤正浩さんが会津の出身と知ったのも、この時です。以後、私は佐藤さんと高校以来の友人である会津在住のバリトン歌手・音楽プロデューサーの石原貴之さんとともに會津風雅堂でオペラの入門企画を開き重ね、「Byacco」の創作に発展しました。
 最初は「和解と平和の物語」として構想しましたが、2011年3月11日の東日本大震災と福島第1原子力発電所事故の発生を境に、「フクシマ健在を全国に向け発信する文化メッセージ」のミッション(使命)を担いつつあります。最悪の状況下にも故郷の未来を信じ、最善を尽くそうと努めた白虎隊の精神に今の福島県を重ね、会津若松市だけでなく県内主要都市や東京、かつて敵方だった鹿児島県や山口県、高知県でも上演できるだけの作品を生み出すつもりです。
 そのためにも、1人でも多くの皆さんの御支援・御協力は欠かせません。オペラ「Byacco」実行委員会は今一度、創作の原点に立ちかえり、エンジン01の中枢を担う三枝成彰、林真理子、矢内廣の3氏に激励と推薦のメッセージをお贈り下さるようお願い申し上げました。それぞれ、とても心のこもった文章を寄せて頂き、ありがたい気持ちでいっぱいです。

オペラ「Byacco」エグゼクティブプロデューサー
池田 卓夫(音楽ジャーナリスト・日本経済新聞社)

 エンジン01文化戦略会議のオープンカレッジを、私が大会委員長として2006年2月に会津若松市で開催したことがきっかけで、会津の方々とのご縁が出来ました。その後、これを1回で終わらせたくないという会津の方々の熱情により、02、03…と地元主催のもと継続され、今年は06を迎えることになりました。今年は”復興”がテーマです。 創作オペラ「Byacco」の構想は以前から池田さんよりお聞きしておりましたが、いよいよその実現に向けたプロジェクトが動き出されると伺い、大変嬉しく思っております。3.11の震災を経て、あらゆるものの位置付けが変わりました。今回の「Byacco」が、会津の誇るべき精神性を超えて、これから自らの両の足で立ち上がらなければならない日本の根源に迫ろうとすることもよく理解できます。
 今回の震災では、いわき出身の私自身も多くのことを考えさせられましたが、挫折からの再生が新たな力を生み、今日の試練が明日を、未来を作るものと信じています。多くの方々の思いの詰まったこの公演の実現と成功を、心よりお祈り申し上げております。

ぴあ株式会社
代表取締役社長 矢内 廣

 幕末の歴史を調べれば調べるほど、会津の悲劇に心を動かされずにはいられない。
 あまりにも高潔であった会津の人々は、時の権力者の生贄にされ、その後も長い苦渋の日々を強いられた。今、その図式はフクシマとなってもまるで変わらないのである。
 作曲家の三枝成彰さんと、会津のとある高校の校歌をつくるため、何日か取材したことがある。飯盛山には今も線香がたむけられ、花がたえない。白虎隊の少年たちの思いは、今も確実に語り継がれているのである。その思いがオペラの歌声となって、フクシマの空に届くことを心から期待している。

林 真理子

 このたびは、オペラ「Byacco(白虎)」が世界初演の運びとなりましたこと、まことにおめでとうございます! 私は今までに何回も会津若松市を訪れていますが、いにしえの日本人の気風を残しながら、新しいものも積極的に取り入れておられる姿勢には、いつも頭が下がります。 今年は東日本大震災という大きなできごとがありましたが、その中で新作オペラを上演しようとする皆様の志は、きっと大きな力をお客さまに呼び起こすでしょう。
 公演のご成功 を心よりお祈り申し上げます。

三枝 成彰(作曲家)